大阪市職員の再就職 条例で厳格化へ(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120926-OYT1T00153.htm?from=main6
10月から天下りを制限するために大阪市役所は課長級以上の再就職については、外郭団体など625団体を再就職禁止団体にするという記事です。
密接な団体など天下りの受け入れ先となっている団体・企業への禁止は、市民の理解を得やすいですし、いつまでも役所が定年後の再就職まで斡旋するのも時代に合っていませんからぜひ進めていくべきではないでしょうか。
ただ、ここには書いてありませんでしたが、この記事に関連して本日朝刊に気になる一文が別でありました。簡単にまとめてみました。
大阪市の橋下徹市長は26日、市職員の再就職を禁じる団体に「市と契約関係にある法人」を追加するなど再就職の規制を厳格化する条例改正案を来年2月の市議会に提案する方針を明らかにした。
契約関係にある法人は10万近くに上がるという。
この記事では深く書かれておらず、またすぐ色々と情報を収集してみましたが現時点では情報がこれ以上見つかりませんでした。
課長級以上の天下りを制限するためだけの条例改正案ならともかく、課長級未満の職員、大多数の一般職員の民間企業への再就職についてはどうなるのかがどこにも触れられていませんでした。
恐らく課長級以上だけに限った話だとは思いますが、それにしても契約関係にある10万法人への再就職まで禁止するのはやりすぎではないでしょうか。
大阪市の平成18年度統計調査「平成18年事業所・企業統計調査結果」によると、大阪市内の全事業所数は約20万です。
上に記載の10万件のうち大阪市以外に本社を置く企業も多数あると思いますが、これが成立すると単純に大阪市内のかなりの割合の事業所への再就職が規制されてしまう訳です。
ここまで厳格に制限するのはどうなのでしょう。
こうなると、よく議論の対象となる憲法22条の「職業選択の自由」問題を改めて大々的に取り出す人・団体も出てきそうです。
まあ、大阪市のこのケースでは、第三者機関の人事監察委員会許可を得れば再就職してもいいとはありますので、どこまで厳密に運用されるかはまた別問題でしょうけど、何でもかんでも禁止したらいい、という風潮はちょっとどうなのかな、とは思います。