公務員からサムライ業(士業)への転向について

行政書士など「士業」、なぜ増加? 天下り減り元公務員も流入(日本経済新聞)
先日、日経に掲載された記事です。
サムライ業とは司法書士、行政書士、社会保険労務士のように「士」がつく資格職業の俗称のことです。
よく知られているようにメジャーなところでは、
行政書士 → 17年以上(中卒の場合には20年以上)行政事務に携わった人は、無試験で行政書士として登録できます。
税理士 → 23年以上税務署で働くと登録できます。

司法書士 → 裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官、検察事務官の職務に10年以上の人は登録できます。
などがあります。
これら以外にも一定年数働くことで、資格試験の科目免除が与えられたりという制度も多く存在します。
このため、これらの制度を使って資格を取得して独立をしようかなと考える人が多いのですが、現実はあまり甘くはありません。
と言うのも、確かに資格は取得でき、サムライ業として活動することができるのですが、それは単純にその分野で働いてもいいよ、というスタートラインに立っただけに過ぎないからです。
例えば行政書士。
全国でどれだけの行政書士がいつかご存知でしょうか?
全国に約40000人です。
社労士は29,000人、税理士になるとなんと71,000人もいます。
確かにこの中には資格は持っているが活動していない人、他資格を本業としている人も大勢いますので実態はもっと少ないですが、相当数の同業者がいることに変わりはありません。
そして、一般人からみると、この何万人もいる同じサムライ業さんの違いがまるで分かりません。
鈴木行政書士事務所、山本行政書士事務所、佐藤行政書士事務所・・・
う~ん、どの事務所がいいのだろう・・・かと。
結局のところ、同じ資格を持っているこの何万人のライバルたちに勝っていかないといけない訳です。
資格を取得したまではいいのですが、契約してくれるお客さんはいますか?どうやって探しますか?という問題に直面します。
そう、通常の起業や独立と同じく営業活動が必要になってくる訳です。
なので、資格を修得したから「これでもう安泰だ!!」という訳ではなく、その資格を活かしてどのようなメリットを顧客に与え、契約してもらえるかを検討していないかないといけないのです。
資格取得を目指されるのは、もちろんいいとは思うのですが、資格を修得してもまずはスタートラインに立っただけということを当初からしっかり考えていく必要がありそうです。
このあたりは遠くないうちに、公務員からサムライ業になり、独立した経験者の声なども紹介していきたいと思いますのでご期待ください。

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