意外に思われるかもしれませんが3月は相談件数が減る時期です。
私が思うに、年度末で公務員を退職しようと思うにはギリギリすぎる時期ですし、4月は異動のシーズン。
異動シーズンになれば、もしかすると今の職場や環境から脱出できるかもしない。それに、あのイヤな上司も異動していくかもしれない・・・
という心理が働くから様子をみようとなるのかもしれません。
先月に相談事例を当ブログに載せたところ、「もっと相談事例をみせて欲しい」という声が多く寄せられました。
そのため、最近お受けしたご相談の一部をご紹介したいと思います。
1)30代地方公務員の専門職の方
◎ご相談内容
仕事に不満はあまりないが、以前から起業したいという気持ちが強くどうするか悩んでいる。須田さん(私)が起業を決められた経緯や起業のメリット、デメリットの話を聞きたい。
→非常に遠方からこの相談のために大阪にわざわざお越しいただきました。ありがとうございます。
この方は運良く、大学生の頃に立ち上がったばかりのベンチャー企業でアルバイトをされていたそうで、その企業の社長のすぐ近くで社長という仕事ぶりを見る機会に恵まれている方でした。
私が起業した経緯や1年目の現状(1年目の売上額や給与、どんな想定外な事態が起きたかなど)の実例をお話させていただきました。また、この方は、珍しいお仕事(職)をされている方でしたので、その仕事と起業を結びつけられそうなアイデアのお話を一緒に考えてみました。
「今後何をすればいいか明確になった」と後日に嬉しいご連絡をいただき、私としても嬉しいかぎりです。
2)20代国家公務員の事務職の方
◎相談内容
入庁して2年目だが、職場の上司が無能で、常に職場におらず、仕事を全て押し付けられている。
もう馬鹿らしくなってきて転職を考えているが、どのようにすればいいのか教えて欲しい。
→相談者のこのお気持ちはよく分かりました。私に限らず、公務員をされている方なら「なぜあの上司(先輩)はここまで仕事をしないのだろう。そしてなぜ誰も咎めないし、咎められないのだろう。真面目にしている自分が馬鹿らしくなってくる・・・」という感覚を感じられたことはあると思います。
私ももちろん在職時にこの感覚を感じました。特に最後に勤務していた職場の上司数名の勤務態度はひどいもんでした。タバコを吸いに行くといい2時間帰ってこない、毎日15時を回ると今日はどこに飲みにいくかしか考えない、上司しか本来見てはいけないはずの上層部から調査関係が来たときでさえ私などヒラ職員に押し付ける。
ただ、相談者の方にお話したのですが、こういうことは役所に限らず民間企業でもどこでも普通にあることです。
役所に特異な現象ではないので、公務員から転職されたとしてもフツウによくあることかもしれません。
相談者の方には、役所と民間企業の違いや共通していること、もし本当に転職されたい場合にはどのような方法があるのかをお話しました。
「相談したことで心の落ち着き方法が分かった気がします」と後日ご連絡をいただきました。
3)30代地方公務員の技術職の方
◎ご相談内容
職域が狭く将来を考えていくと別の仕事がしたい。製菓作りが得意なのでその業界に転職かもしくは自分のお店を開きたい。
→実際にお話をお伺いすると、ほぼ退職したい、というお気持ちはもう固まっている方でした。
では、次のステップとしてどうするか、どのタイミングで辞めることを伝えるのか、退職後の社会保険や税金などの仕組みはどうなるか、どのように希望の仕事に就くのがいいのか、ということをアドバイスさせていただきました。
最終的に自らがオーナーとなれるショップを開くために、製菓関係のショップにアルバイトで入り、勉強されることを検討されていましたが、その方法では時間もかかり効率的ではありませんので、より短縮できる方法をご紹介いたしました。
現在は3年以内の退職を目指されて早速活動されておられます。
4)40代の税務職員の方
◎相談内容
税務関係の仕事を長年しているので、もう数年で税理士資格を取得できる。取得後に税理士として独立したいが、どのように顧客獲得をしていけばいいだろうか。
→税務署で23年間働くと自動的に税理士資格が取得できます。そのため、定年退職後などにとりあえず税理士資格を取得される方が多いようです(税理士の平均年齢は約60歳と言われています)。
ご相談いただいた方は、税理士資格取得後に退職され、税理士として活動されていることを望まれていましたが、聡明な方で顧客獲得をする必要性を十分に考えておられました。
税理士資格に限らず、社労士でも行政書士でもそうなのですが、よく資格さえ取得すればご飯が食べていけると勘違いされている方がおられます。残念ながら、資格取得はあくまで資格を生かしてその業務をしていいですよ、というだけであって、単純にスタートラインに立っただけにすぎません。言い換えれば同じ資格を持つ何万人がライバルな訳です。
私が起業時にどのように新規顧客を獲得していたっかなどのお話を中心に相談に乗らせていただきました。
私も0の状態から営業活動を始めましたので、「どのように営業すればいいのか、自分なりの営業スタイルを確立していく自信ができました」とうれしいお言葉をいただきました。
5)20代の自衛官の方
◎相談内容
次回の任期切れの際に退職して転職をしたいと考えている。前から興味のあった旅行業に転職したいと思っているが、どのように転職活動をすればいいか。
→あまり相談件数はない自衛官の方からです。個人的に自衛隊好きですので、装備品の話など興味深いお話が多かったです(笑)
実は自衛官の場合、数年ごとの任期切れの際は、ある程度は自衛隊自体が転職サポートをしてくれますが、やはり運送業や建築業など体を使う業界からのオファーがほとんどになります。
ご相談いただいた方は、旅行業に転職されたいということでしたので、旅行業界の平均的な年収や待遇のお話などをさせていただいた後に、どのように転職活動をすればいいかという具体的な方法をいくつかご提示しました。
自衛官は全国に25万人ほどいるので、もっと相談に占める割合が多くてもよさそうなものなのですが、恐らく自衛隊自体が転職サポート活動や組織を持っていることも大きいかもしれません。これからは国家公務員や地方公務員にも自衛隊のような転職サポートの仕組みが必要になってくると思います。
以上です。
4月から6月の異動シーズンとその後2ヶ月ほどは去年もそうでしたが、相談件数が一気に多くなります。
私も退職を決意したのは異動の望みが絶たれた数週間後の5月下旬でした。
関西でのご相談はいつでも可能です。関東には恐らく4月下旬に行くことになると思います。
ご相談をご希望の方は、個別相談案内のページをご覧ください。
色々と興味深いお話は十分にさせてもらえる自信はありますので、ご希望あればぜひご検討ください。