【公務員からの教え 2-7】 完璧だった希望配属調査の面談

新人研修ももう終わりという頃に希望配属先面談が実施された。
これは新人研修が終わってから発表される本配属に向けて、どこの部局に配属されたいのかを調査するためのもので、人事担当者が3人ほど、新人職員が5人づつくらいのセットにされ希望を聞くというもの。

だいたい人気のある部局というものは毎年集中しているようので、この当時の大阪市役所の部局名では、経済局、計画調整局(市の企画全体)、ゆとりとみどり局(観光や公園管理)、財政局、港湾局などに人気が集中。
一方、人気がない部局といえば、健康福祉局(厚生労働省のようなところ)、環境事業局(ごみ処理関係)、市役所など一般的に泥臭い仕事や市民と接する部局。
市民と接するのは面倒くさい、と考える人が多かったかもしれない。
これは役所でも民間企業でも変わらないものだろうけど、どうしても新人というのはテレビとかで見るような華やかな部署にいきたがるもの。
就職活動での人気No.1の職種といえば、昔も今も「企画職」。
ただし実態は、「企画職」といいながらもほとんどが「企画営業職」と、営業がメインの泥臭い仕事。
結局、仕事というのは、泥臭い仕事を避けては通れないし、避けて通ってしまうとその人の成長にも影響を与えるものだと思う。
嫌な仕事でもまずは挑戦してみる。
嫌な仕事から学べることはそれはもう多くあるから。
で、わたしの希望部局といえば、他の人と同じく経済局や計画調整局だった。
やはり大学院までベンチャービジネスを勉強してきたことはもちろん、ベンチャースピリットを役所の世界で活かしたい、と声高々に役所面接で宣言してきたこともあるので、配属されるならここしかないと熱く思っていた。
いや、むしろ経済局に配属されないとなると大きな損失だろうとまで。
逆にやはり泥臭い部局は嫌かな~なんてことも思っていた。
こんな思いだったので希望配属面談では、もちろん、
『大学時代からベンチャービジネスを学んできましたので、経済局や計画調整局でみっちり働いていきたいと考えています!よろしくお願いします!!』
と元気いっぱいに宣言した。
が、なぜか人事担当者官からの反応はまるでなかった。
何か少しでも反応してくれたらよさそうなものだけど、わたしに限らず他の新人職員の希望の声にも最初から最後まで反応はなかったように思う。
「はい、じゃあ次○○くんの希望言ってください」
「はい、ありがとうございます。えーとでは次に○○さん」
と淡々に。
あの当時は何も分からなかったけど、公務員になって2年くらいたってからこの希望配属面談を振り返ると、もう誰がどの部署に配属されるのかはすでに決まっていたのではないかと思う。
だいたい配属発表の数日前に200人からの希望を聞いて調整している余裕なんてないだろう。
配属先への最終適性確認と微調整、「一応希望だけ形上きいておくか」くらいの感じだろう。
まあ適性なんてほとんど考えてなかっただろうけど(笑)
そして、そうとも知らないわたしは面談の日から配属発表日を心底心待ちにしていた。
「おれたぶん経済局に配属されるやろ、経済関係の仕事をするために市役所に入ることを目指したんだし。よくわからんけど多分そうに違いない。楽しみや。」
この妙な自信と期待に満ち溢れたわたしが崩壊するまであと数日とはこの時つゆ知らず。。。
続く。
【まとめリンク 第2章 入庁】
1 入庁1週間前
2 入庁式1 決意新たに
3 入庁式2 労働組合の勧誘
4 意味のない新人研修の始まり
5 日々飲み会に精進
6 新人研修とは何だったのか
7 希望配属先面談
8 配属辞令の交付
9 運命の分かれ道
10 局内研修の開始
11 局内研修
12 福祉か保健か

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