記憶の破片 入庁式

辞めた直後は何かと戸惑どった民間の常識も今では常識になりました。
薄れつつある公務員時代の「記憶」を残しておくために不定期で役所時代の思い出を綴ります。
『入庁式 前編』
公務員になり初めて勤務する日、「入庁式」。
確か大阪市の北区区民センターだったような記憶があります。
大卒事務職の同期入庁者は、70名ほどで技術職や高卒入庁者などをあわせると数百人が一斉に集まりました。
市長の挨拶があり(退職するまで5年半で市長の話しを聞いたのは、研修中の講義と合わせて2回だけでした)、誰だか全く覚えてない方々の挨拶が続き、最後に労働組合代表の挨拶となりました。
その時は、私も含め新人の誰もが「労働組合」というのが一体どういう集団かというのは全く理解できている訳もなく、「なぜ労働組合代表が入庁式で話しするねん」という感じでした。
結局、5年半いて感じたのは、大阪市の労働組合というのは、確かに労働者(職員)の権利をしっかり守ってくれる働きは間違いなかったのですが、それがあまりにも過度すぎたな、ということ。
相談すればしっかり対応策を考えてくれます。
ただ、役所の職員は、市民のために働く「公僕(こうぼく)」という大前提がある訳ので、考えの根本にもっと「職員の権利を守ることは、市民の利益に最終的につながるんですよ」という考えが必要だったと思います。
残念ながら、職員を守るという名目で、人事権や福利厚生権など大阪市自体に圧力をかけてしまい、あの一連の不祥事を起こす原因になったのかな、と考えています。
不祥事の件は、また今度書こうと思います。
で、話しを戻すと、労働組合代表の話しの後で驚く出来事が起こりました。
そう、労働組合へのほぼ強制的な加入斡旋です。
いま思えば、入庁した日から「立派な公務員への感化」が始まっていたのかな、と思います。
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