公務員を経験した理由

公務員時代は、仕事に対する情熱からか、はたまた環境からくる問題なのか分からないが、とにかく日々の1日1日が長かった。

かなり稀だが、ひどいときは朝出勤し、出勤簿に印鑑を押したらそれで仕事が終わり(つまりする仕事がない)というひどい状況もあったので、1日が本当に長く感じられた。
正直こうなると、「おれって何しているここに来てるんだろう」とこのままうつ病になるのではと感じることも多かった。

一方、今は有りがたいことに毎日することが多くあるので1日1日があっという間にすぎてゆく。
毎日がめまぐるしく変わっていて朝出社してすることがない日なんてのはない。

そして気がつけば早いもので公務員を辞めてこの7月で5年がたとうとしている。
公務員経験は5年半
独立経験ももう5年。
いつのまにか公務員時代を過ごした時間と同じだけの時間に近づこうとしている。

そこで最近よく考え気になっていることが一つある。
それは、『一体自分はなぜ公務員を経験したのか、はたまた経験させられたのか』 ということ。
自分から選んだ道なのだから、受動的な「させられた」はおかしいのはもっともなのだけど、そもそもそこまで公務員になりたかったといえばそうでもなかったのかもしれない。

大学院時代にちょうどベンチャービジネス学を勉強してい、ベンチャーと役所の関係性、役所にベンチャーの考えを持ち込んだらおもしろいんじゃないか、という発想から公務員になってみたい、と思ったのが全ての始まりだった。
公務員試験まで数ヶ月しか時間がなかったので今年はとりあえず腕試しで受験してみようと思い、数カ月間それなりに勉強したらなぜか大阪市役所に合格した。
正直なところ、数的処理(数学)や自然科学や政治系の科目などは全くの苦手分野で、5択の問題を適当にマークしたほど。
それがどうやらヒットしたみたいで運良く試験に合格できた。

運だけは昔からいいし、自分の運の良さには心底感謝している。
幸運と自分は最高の相棒だと思っている。

こういうこともあって、今思えばなぜ公務員になれたのか、目に見えない何かが働いたかさえするという訳だ。
ちなみに、うちの家系は代々役所とは縁もゆかりもない家系なので、公務員の親族は誰もいないし、知っている限りの祖先を思い返しても誰もいない。
なので周囲からはけっこう驚かれた。

そして現在。
結局、公務員を経験し独立したことが何だかんだと初対面の人からツッコミを入れられる。

「あらかじめホームページ見てみたんですけど、元々公務員なんですか?」
「へ~公務員辞めて会社起こすって珍しいですね」
「なんでまた公務員を辞めたんですか?もったいない」


これらは日常茶飯事に言われることで、自分から元公務員です、とは言っていないのになぜか今でも「元公務員社長」という肩書き(レッテル?)を貼られてしまう。

つまり、今でも「公務員を辞めて独立した変わり者」という状況に変わりはないので、最近ほんとよく考えてしまうという訳。

どこまでも強く望んでなった訳でもないだろう公務員を経験したのはなぜなのか、公務員を経験したことが今でもこれからの人生にも大きく関係してくるのでは、など色々考えている。

神の力や意思など神がかり的なものを信じるタチでもないのだけど、公務員を経験したことが見えない力か何かによってさせてもらったようにも感じる。

一体なぜ公務員を経験してから独立起業したのか。
普通に学校出て民間企業で働いて独立起業でもよかっただろうに、なぜ特殊なルートになってしまったのか。

実はいまだ気づいていない深い意味、何かの意味があるような気がしないでもない。
なぜ!?
それはなに!?

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