「ユーロファイター」、対日売り込みに本腰
(読売新聞 – 02月22日 22:46)
昨日の読売新聞の記事。
日本の次期戦闘機選定計画(F-X)の候補機の一つ、ユーロファイターの売込みが本格しているらしい。
軍事関係は詳しくないけどユーロファイターのこの記事への感想とか思うことを。
日本が保有している戦闘機は以下の3機種(全てアメリカ製)
F-15 約200機 1機約100億円 保有数は世界2位
F-2 約90機 1機約130億円
F-4 約70機 40年前に1機約20億円で購入
今回のF-Xは、もう相当に古くなっているF-4を退役させ、その後釜を決めるもので、元々はほぼアメリカの最新鋭ステルス戦闘機F-22で決まりかけていた。
※ステルス機とはレーダーに映りにくい性能のことで、「写りにくい=敵機に見つかりにくい」ということ。敵機に見つかる前に攻撃、離脱できるメリットは大きい。
ただ、アメリカが日本の機密保持体制の甘さを危惧して輸出禁止になり、オバマ大統領の財政再建政策の元で製造ラインが閉鎖されたりと導入を断念しないといけない状況になった。
そのため結局一から選定を見直すためにF-4の退役を遅らせ、未だにどの機種にするか選定中な状況になっている。
まあでもF-22は1機200~240億円とべらぼうに高いのはもちろん、肝心なステルスやレーダー、武装に関する重要情報は一切日本に対して非公開、1時間飛行するのに30時間以上の整備(1時間当たりの飛行コストは約400万円以上)が必要らしいので今の日本には合っていない気もする。
いくら国防とはいえ1機200億円の戦闘機を購入できる余力はないんじゃないだろうか。
現在、最終候補に挙がっているのは下記の4機らしい。
1)F-35
各国の共同開発機でF-22の低価格版のような存在。
各国が好き放題に仕様要望をいってるために未だにエンジンすら未完成の開発途中。
しかも共同開発機なのに肝心なステルス性能など機密情報は各国に対してこれまた非公開とアメリカが主張しており、本当に完成するのかさえ怪しまれているところさえある。
しかも未だ未完成なのにアメリカは日本にこれを買え買え、開発に参加しろとうるさい。
要は開発金が膨らみすぎて大変なので日本のお金が欲しいだけだろう。。。
他、アメリカ機では、F-15を改良したF-15FX 、F-18を改良した機種などが候補機種としてあるがイマイチぱっとしない。
2)ユーロファイター
欧州開発機。ステルス性能はない。
これを選ぶ最大のメリットは、ニュースでもあるように、日本でのライセンス生産はもちろん、アメリカ機に比べ国産機器(レーダーやミサイル等)を搭載するための改造が大幅に許容されるところ。
つまりアメリカ機は購入しても、日本独自の技術はほぼ入れ込むのが不可能なのに対して、ユーロファイターはある程度好き勝手に、日本の好きなようにやりなされや、が可能。
しかも1機35億円が本当なら安すぎる。資産6000億円のユニクロの会長でもお小遣い感覚で買えそうな値段。
でも、個人的にはこの35億円って誤報だと思う。さすがに安すぎる。
F-2戦闘機のアメリカに払うライセンス料だけで1機40億円と言われているのに。
と、これだけ見て比較したらユーロファイターは非常にメリットがありそうなのだけどやはりデメリット・問題がある。
・日米同盟・政治的な絡みを無視して買えるかどうか
・日米の防衛システムに組み込めるかどうか
・日本はステルス機を欲しがっている
・欧州機を導入したことがない
・整備方式がアメリカ機とは異なる(互換性がない)
個人的には、日米の政治的な絡みや問題がないなら、ユーロファイターを選定するのがベストだと思うのだけど、結局は何だかんだでアメリカ機が選ばれると思う。
もうそろそろ最終選定に入っていることだろうし、続報を待ちたいと思います。