第二の軍艦島、池島に行ってきました

長崎県の沖合にある炭鉱で栄えた島、池島に行ってきました。
いま猛烈な勢いで知名度が高まっている注目の島です。

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ここはかの有名な軍艦島と同じく炭鉱で栄えた小さな島(周囲4キロ)で、最盛期にはなんと8,000人もの人が住んでいたそうです。

それが13年前に炭鉱が閉鎖され、一気に人口が減少。
今では人口160人ほどしか住んでいない島です。

ただ、軍艦島と同じカテゴリーの「廃墟の島」として脚光を浴びつつある島で、ここ最近は廃墟マニアなど観光客が急増している島です。

そんな中、今回の長崎旅行の2大メインイベントの1つとして行ってきました(もう一つは長崎くんちというお祭り)。


【佐世保から池島への行き方】
池島には長崎市内からも行けないことはないようですが、観光客にはバスを乗り継いだりと少々ハードルが高いそうなので、佐世保からフェリーでいくことにしました。

佐世保港から1日1便で朝7時22分のフェリーで向かいます。1980円の1時間の船旅です。
出発してすぐに米軍佐世保基地や海上自衛隊の艦船も見ることができます。

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出港してから大島、松島と寄港し、1時間後の8時20分に池島に到着です。
船内アナウンスは雑音がひどく、何を言っているのかまるで分からないので、3番目の港で降りてください、と予め言われていました。
※ちなみに帰りは大島で船を乗り換える必要があります。乗り換えと言っても、船を降りて目の前の船に乗るだけなので、電車の乗り換えと全く同じ感覚でした。



【港から中心部へ】
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そして池島に到着。
非常に静かな港です。最盛期にはクルーズ船などでこの港が埋め尽くされていたそうです。

まずは早速レンタサイクルを借りて島を1周することにしました。
港から徒歩3分くらいの「みなと亭」というお店でレンタルしており、1日レンタルで600円です。日曜日は予め予約すること、とあったので予約していました。

ここの自転車、なんと電動アシスタント付きです。
池島は非常に起伏が激しい島なので、徒歩で回るのは止めたほうがよく、レンタサイクルで回るのがおすすめです。
ただし、バッテリーは2時間しか持たないよ、と言われていましたが、実際には30分も持ちませんでした(笑)
まあご愛嬌ということで。



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島の中心から奥に当時数千人が住んでいた団地の後が残っています。
手前には一軒家も多くありますが、その多くが空き家らしく、今では数軒しか住んでいないそうです。

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池島の別名は猫島とも言えるほど猫が多くいます。
住民160人に対して、猫は200匹ほどいるそうです。



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池島の小中学校。
なんでもこの校舎、長崎の全長としては最大の校舎らしく、最盛期には1800人もの小中学校の児童が通っていたそうです。

それが今では小学生がたったの一人・・・
後ほど参加した炭鉱ツアーのガイドさんのお孫さんが通っているらしく、一人なので、勉強も学校での生活もとにかく苦労が多いそうです。



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島中心部にあった商店街。今では全て閉まっており、港にある小さな商店と2日に1回フェリーでやってくる移動スーパーだけが買い物をできるところだそうです。

当時は「池島にないものは何もない」とまで言われていたそうで、ボーリング場からカラオケ、雀荘、パチンコ、レストラン、総合病院など何でも揃っていたそうで、それはそれは毎日が大賑わいな島だったそうです。



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島中心部にある展望台から炭鉱を。
今では木々に覆われて何も分かりませんが、当時はなんとここにゴルフ場とアスレチックなどがあったそうです。




【池島の中心部の団地】

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そして池島の中心部にはこのような炭鉱で働いていた従業員用の団地が無数にあります。
しかし、今ではそのほとんどが廃墟と化しています。
この草木で覆われた団地を見ていると、ラピュタをすぐに想像してしまいます。

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住人160人の多くは港の近くに住んでいるそうで、島の中心部はガランと誰もおらず、静寂が町を支配しています。

大きな団地が360度見渡すとあるのに、人がほぼいない町。
異様な雰囲気を感じさせます。

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当時、水が貴重だったこともあり、一部の住宅(管理職)にしかお風呂はなかったそうです。
そのため、公衆浴場が島内に5箇所作られ、そのうちの1つがこれです。
今でもやっているのか閉まっているのか・・・

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錆びついた住居のドア。
何とももの寂しい雰囲気を醸し出しています。



【炭鉱ツアー】
池島の観光地としての魅力はこの廃墟となった団地だけではありません。
なんと軍艦島では決してありえない炭鉱ツアーなるものが開催されています。

この炭鉱ツアー、ガイドのおっちゃんが言うには、いま特例に近い形で開催されているので、いつなくなってもおかしくないと。
だから、開催されている間に来られたアンタ達は運がいいよ!ということだそうです。

確かにツアー代金2,600円+オプションとして、お弁当800円、徒歩ツアー歩き800円の合計4,200円を払いましたが、かなり内容が濃かったです。
ここ最近参加したこれ系のツアーでは群を抜いているかもしれません。

このツアー、今日の参加者はなんと24名。
住民の7分の1相当の観光客が参加という賑やかなツアーでした。

まずは10分間ほど炭鉱に関するビデオを見て炭鉱の基本を学びます。
その後いきなり昼食(笑)
まだ何もしていませんが、とりあえず腹ごしらえが大切だそうです。



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希望者に800円で配られる炭鉱弁当。
見た目は普通なので少々がっかりしましたが、全て手作りの温もりある弁当で意外と?おいしかったです。
お茶付きで800円ならいいかも。



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食後、すぐにヘルメット、ヘルメット照明、タオルといった基本セットを装着します。
ヘルメットは分かりますが、なぜタオルまで標準装備なのかはよく分かりません(笑)
坑内は温度20度くらいと暑くはないようです。
雰囲気を出すためでしょうか。



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そして装着完了。
ヘルメットの照明はリュックタイプの電池から電気をもらう仕組みなようで、小さなこのリュックも背負っておく必要があります。
そして、後ろに写っているトロッコで坑内へと入っていきます。

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距離としたら200メートルほどですが、遊園地のアトラクションのようでなかなか楽しい。



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そして到着後、さらに300メートルほど歩きながらいろいろな坑内の掘削機具などの説明を受けます。
ちょっと説明が多すぎて疲れますが、いい勉強にはなります。

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実際に掘削機具を動かしてくれたりもします。
そしてその後、オプションツアーとして炭鉱の地上部分の見学にも参加しました。

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これで池島観光は終了です。
佐世保から池島に行くと、到着してから約2時間、ツアーで4時間半とたっぷり池島の魅力に触れることができます。

軍艦島にはこの3日後に行く予定ですが、恐らくここまで濃い体験は軍艦島ではできないのではないでしょうか。
実際に軍艦島と比べると、池島の方が満足度が高い、ということだそうです。
まあ、そりゃこの内容ならそうかな、と思います。

しかし、その一方で最盛期には人口8000人もいた池島のその後の荒廃ぶりは、限界集落間近の問題としても考えさせられます。
炭鉱が閉山したのはほんと13年前。
閉山時には8000人もいなかったとは思いますが、それでもなんとまあ急激な人口減少なことか。

ガイドブックや池島案内サイトの多くには人口200人となっていますが、今の人口はそこからさらに減り、人口160人だそうです。数年後にはもしかしたら大台を切っているかもしれません。

軍艦島よりさらに廃墟や炭鉱に触れることができる島としてこれから先、池島の知名度や観光客数はさらに増えていくものと思われますが、果たしてそれがこの池島にとっていいことなのかどうか、住民の皆さんにとっては観光客が大群で押し寄せ、自分の住んでいる島を「廃墟の島」「滅び行く島」として注目されることに関してどう思うのか、色々と考えさせられる1日となりました。

私なら自分が住んでいてる町を「滅び行く町」として注目されたとなると、決して良い気分はしないと思います。

この炭鉱ツアーもいつまでも開催されている訳でもなさそうなので、池島に興味を持たれた方は早めに訪問されることをおすすめします。
非常におすすめの濃厚体験のできる島が池島です。




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