どのような人材が転職市場で求められているのか

先日、大手人材紹介会社の責任者の方とお会いし、公務員からの転職について色々とアドバイスをいただきました。
話し合いに際しては、
全国350万人の公務員のうち、様々な理由で公務員を退職され、民間企業に転職を希望される方が少なからずおられます。公務員からの転職が簡単にいかないことは百も承知していますが、御社の協力をぜひいただきたいと考えています。
というスタンスで話し合いに臨みました。
そして早速結果ですが、その責任者の方自体は、

公務員が一生公務員のままでいられる時代がまだ続くと錯覚してもらっても困るし、官民の人材交流が活発化しないことには、より強い日本は生まれないと考えている。なので個人的に今回の話は大変興味があるし、できることは積極的に関わっていきたい。

ただ、実際のところ公務員という人材が欲しいかどうかと言えば、難しい部分も多くある。言い方を変えれば、敢えて弊社に「公務員」という層が欲しいかと聞かれると、特に求めている層ではないと言わざるをえない。
とおっしゃられました。
この日の結果だけでは、あまり上手く話がまとまりはしませんでしたが、大変親身に色々と相談やアドバイスに乗っていただき、大手企業の責任者の方なのに本当に親切な方だな~と嬉しくなりました。
さて、ここでご紹介できる範囲内になりますが、私の質問に対し、この人材紹介事業の責任者の方から的確なアドバイスをしていただきましたので紹介いたします。
転職を少しでも考えている方は参考になさってください。
うわべだけの回答ではなく、ホンネの回答をいただきました。
Q:現役公務員の会員登録は、実際のところありますか?
A:(専用端末で調べられながら)およそ年間で200名ほどですね。多くが都市圏の方で、20代から30代の方が多いです。
Q:200名という数字は多いのですか?少ないのですか?
A:全体の登録者数から見ると決して多くはありません。ただ、私もいまこの数字を初めて知りましたが、個人的には「えっ、安定している仕事なのに、そんなに辞めたい人いるの!?」と驚きました。
Q:どのような人材が求められると思われますか。
A:まず人材紹介サービスの大前提は「即戦力であるかどうか」です。人材紹介に際しては、一般的に紹介料として企業から数十万円から100万円以上の紹介手数料をいただきます。
そのため採用後、新卒採用のようにじっくりと育てるというスタンスはありません。
企業は高い費用を払ってでも「良い人材」「即戦力な人材」が欲しい訳ですから、それに合致できるような人材が果たして現役公務員の中にいるかどうかではないでしょうか。
Q:国家公務員や地方公務員、事務職や技術職など様々な職種が存在しますが、どのような層が好まれるかなどはありますか。
A:基本的にはそこまで細かい要望はありません。確かに人材難の代表的な職種、看護師や薬剤師など専門職はぜひ登録して欲しい、というのはありますが、事務職の方でしたら国家公務員でも地方公務員でもあまり関係ありません。
Q:では、公務員の事務職の場合、どのような基準をもって紹介を受けられる基準になりそうでしょうか。
A:これは先ほど述べました「即戦力」となりうる人材かがまず第一です。じっくりと人材を育てたいという企業様は、人材紹介サービスはあまり使われず、一般の求人広告で人材募集をかけられますから。
この点でいいますと、公務員の方がされてきたお仕事というのは、民間企業では馴染みのないものが多く、あまり評価対象にはならないと考えていただくほうがいいかもしれません。つまり、公務員として職歴は、よほどの職歴でない限りは、あまり職歴加算されないとお考えください。
Q:例えば、社会保険労務士や行政書士など国家資格を保有していると有利になりませんか?
A:資格を保有していても実務経験がないと評価対象にはなかなかなりません。あくまでも実務経験を補助するために資格があると考えていただくのがいいでしょう。

Q:経理職に転職されたい方の場合、簿記資格は有効になりませんか?

A:経理職に就きたいと強く考えておられるなら有利というか、簿記3級でもよいので、何かしらの経理資格は保有しているのが当たり前かもしれません。
結局、人材紹介サービスというのは、通常の求人広告で仕事探しをいただくよりも、よりグレードの高いお仕事を紹介し、より高条件で転職していただくための仕組みですので、登録者にも本気で転職したい、という強い意志とスキルが求められます。
と、これ以外にも他にも色々アドバイスをいただきましたが、これ以外はまた機会あればご紹介します。
私も本業として人材業を生業としていますので、このあたりのアドバイスには大いに賛同できる点が多々ありました。
いただいたアドバイスを参考にし、これからの私の課題は、公務員の方が人材紹介サービスを通じて転職しやすい環境を国内で初めて構築していくことと考えています。
難関な問題ではありますが、元公務員であることで、公務員の皆さんの気持ちはよく理解できます。皆様の期待に応えられるよう頑張ります。

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