国家公務員と地方公務員の転職の難しさの差2

昨日の「国家公務員と地方公務員の転職の難しさの差」のブログの続きです。
2つ目は、より具体的な出来事の際、つまり面接等で履歴書や職務経歴書を面接官に見られた際に発生しがちです。
例えば、面接で別々の現役公務員で転職希望者の方からとある履歴書が出されたとします。
その履歴書には以下のような今までの職務経歴が書かれていました。
これを全く役所とは関連のないビジネスを展開しているとある会社の「企業の面接官」の立場になったつもりでご覧ください。

※下記の部局名・仕事は単に例として挙げただけですので、こんな異動・部局課名はないなど細かいご指摘はなしで。
【とある国家公務員、厚生労働省勤務の方 Aさん】
医薬食品局において公衆衛生関連業務に従事
地方の厚生局において衛生統計業務に従事
総務課において会計業務に従事
健康局において感染症対策業務に従事
【とある地方公務員、市役所勤務の方 Bさん】
税務課での市民税関連業務に従事
年金課において国民年金業務に従事
介護課において介護保険業務に従事
総務課において庁内情報システム業務に従事
どうでしょう?
全く役所とは関係のない立場の企業面接官から見た場合、どう感じられますか?
多くの面接官はこう感じるはずです。
・Aさんは、厚生労働省内でだいたいずっと衛生関連業務をしていたみたいだから、この分野には滅法強そうだな。
・Bさんは、う~ん、なんでこんなあちこち異動して関連のない仕事をしているんだ!?

転職では、よく「キャリアパスを描く」という言葉が使われます。
キャリアパスとは、自分の仕事において、過去の職歴から現在の職務を通して今後の希望や予想による職歴まで一貫して俯瞰するためのキャリアプランと言われるもので、今までの職務経歴を俯瞰し、これから先の仕事予想図を描くものです。
もうお分かりのとおり、地方公務員の場合、ゼネラリストを育てるという目的のため、今までと全く関係のない課に配属され、様々な経験を積ませることが一般的のため、このキャリアパスが描きづらいという問題が発生します。
Bさんの職務経歴を民間業界で活かせそうな業界・分野に当てはめてみると以下のようになります。
税務課での市民税関連業務に従事 → 経理業務や税理士事務所など
年金課において国民年金業務に従事 → 総務関係や社労士など
介護課において介護保険業務に従事 → 介護業界
総務課において庁内情報システム業務に従事 → 頑張ってIT業界
もうまちまちですよね。
つまり、Bさんのような地方公務員の場合、入庁から一貫して同じような分野の仕事に従事することは稀なため、異動の度に、民間企業で言うところの異なる業界への転職を繰り返しているというイメージになる訳です。
そして、その結果としてキャリアパスを描きづらいという問題が発生してしまいます。
面接官の立場になって改めて見ると、地方公務員のBさんは、
何だか色々やってきてるけど、どれも数年で異動しているし、一体我社に来ても何ができるのだろうか。
と思われがちになってしまう訳ですね。
以上のように地方公務員の場合、このことをきっちりと把握した上で事前準備をし、面接に臨むことが重要になります。
私がしています個別相談会では、これらの問題を極力クリアし、転職を成功させるための具体的なアドバイスを行なっておりますので、ご興味ある方はお問い合わせください。

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