個別相談の際に、
『仕事のモチベーションがなかなか上がりません。ずっとモチベーションを高くする方法は何かありませんか?』
ということを質問されます。
お気持ちよく分かります。
私も公務員時代は仕事のモチーベーションが高かかったかと言えば、お世辞にもそうは言えないと思いますし(笑)、公務員を辞める辞めないに関わらず高くしたい、というお気持ちは本当によく分かります。
特に何かで悩んでいる最中や、公務員の仕事に対して意欲がなくなってしまった時はどうしても上がらないものですよね。
こうなりますと、
何かモチベーションを上げる方法というものはないのだろうか、そしてそのモチベーションを下げることなくずっと高く保ち続けることはできないものだろうか
と考え始めるのは当たり前のことかもしれません。
ただ、ちょっと待ってください。
そもそもモチベーションって常に高く保つことなんてできるのでしょうか?
今日はそのことを書いてみたいと思います。
人間の感情や心理状態というのは、その時々の状況に大きく左右され、それに応じ仕事のモチベーションも上がったり下がったりを日々繰り返しますよね。
誰かに褒められたり、来客者から感謝の気持ちをもらうと非常に嬉しくなります。
そして、「次も頑張ろう!」とモチーベーションが高くなります。
また、有名な方のセミナーや講演会を聞くと、無性にやる気が湧いてきて、「早速実践するぞ!」とモチベーションは最高潮に上がりますよね。
しかしその数日後に自分のミスが元で大変な失敗をしてしまったり、上司から見に覚えのない注意や批判を受けると途端にモチベーションは下がってしまうことも多々あります。
で、次の日も引き続き仕事で落ち込んでいると、交際中の彼女(彼)から、「落ち込まないで頑張って。何があっても応援してるからさ」と励まされたりすると、またちょっとやる気が湧いてきます。
↑に近いことを経験された方はおられませんか??
結局、私が何を伝えたいかと言うと、モチベーション(仕事のやる気)とは日々のちょっとした状況や環境で上がったり下がったりするのは当たり前、ということです。
朝起きたら最高に気分が高揚している日もあれば、逆に全く仕事に行く気が出ずに、今日は年休をとってしまおうかな、と思う日も誰にでも一度くらいありますよね。
これって民間のサラリーマンでも普通にあることですし、会社経営者やモチベーションアップを指導している講師業の人にも普通にあることなんです。
私も公務員を辞める前は、会社経営をしている社長さんなどは皆どの人もモチベーションが高く、日々仕事に邁進しているのだろう、仕事をサボりたいと思ってる人なんていないに違いない、と思っていました。
でも実際はそうでもありませんでした(笑)
社長に数多く会えば会うほどそうでもないこと、つまり社長という職業の人もサラリーマンと根本的には変わらない、ということに気が付きました(笑)
そしてこの考えを決定的にしたのは、会社経営者を対象としたとある社員育成セミナーのテーマに、「いかに社員のモチベーションを一定に保たたせるか」という内容の話しを聞いたことです。
そのセミナーでは、
誰でもモチベーションが高い日もあれば低い日もある。それを理解せずに無理やり社員に仕事を強要しても上手くいくことは少ない。だから、経営者がまずはモチベーションというものの本質(=上がったり下がったりするのは当たり前)を理解し、社員のモチベーションを上げるのではなく、極力常に一定に保つことに力を入れることが大事。
という内容を話されていたのをよく覚えています。
結局、今日書いてきた話もこのセミナーでの内容と被るのですが、モチベーションをずっと高く保つことなんてできない、という前提から考え始めることがまずは大事です。
毎日上がったり下がったりするのは当たり前なんですよね。
人間なので、気分がいい時も悪い時も日によってまちまちです。
そしてモチベーションもその日の感情や状況によって上下してしまうのは仕方ない、という前提をまずは理解することが大事ではないでしょうか。
考えてみれば、ずっと常にテンションの高い人がいたら、それは何か別の疑いが持たれたりしてしまいますよね。
「あの人、ずっとテンション高いよね、実は・・・」
というように(笑)
今日の結論としては、モチベーションというのは、常に高くするものではなく、常に一定の状態、もっと言えば精神的にも安定し、ちょっと高いくらいの状態を保つことが重要ではないか、ということです。
なので、「モチベーションアップ」を求めるのではなく、「モチベーション維持」を求めることこそ満足いく仕事ができる第一歩だと私は考えています。
私の会社でもスタッフには、「常に一定の心理状況でいること、些細なことで気持ちが高ぶったり、下がったりするのはあかんよ」と話をしています。
皆さんもぜひ常に高いモチベーションを目指すのではなく、一定の心理状態、できればちょっと高めくらいのモチベーションでいられることを目指すようにしてみてください。
普段よりほんのちょっとだけ高いモチベーションを保つくらいならあまりパワー入りませんよ!