【公務員からの教え 3-13】 初の業務引継ぎを受ける

人生初の窓口業務は訳が分からないうちに終わった。
いや、訳が分からないというより、無事にどうにか乗りきれて、とにかくまずはほっとしたという感じが何よりかも。
それにしても覚えないといけないことが山ほどありそうだ。
窓口業務の流れを覚えるのはもちろん、申請書類の書き方、専門用語、他の制度との関係性など山盛り。

どのくらいの期間である程度のことができるようになるのか考えるとちょっぴり心配になってきた・・・
そんな中、わたしが担当することになる業務の前任者、多田さんが引継ぎに来られた。
見た目は20歳代前半の男性で、なんでも高校卒業後に市役所に入庁しこの保健センターに配属され6年目の今年、別の部局に異動になったそうだ。
高校卒業後6年目ということは24歳なので、歳はわたしと同じ歳。
ただ雰囲気が非常にある人で、学生から社会人になったわたしと比べると一回りも二回りも落ち着きが感じられる。
隣に並んでもまさか同じ年代とは思えないくらいの落ち着きさがある人だ。
今回異動された職場は何でもけっこうハードな激務な職場らしく、引継ぎを終えたらすぐに戻らないといけないらしい。
なので挨拶もそこそこに引継ぎが始まった。
ただ、新人のわたしにはそもそも「引継ぎ」が何かがイマイチ分かっていない。
『え~と、引継ぎ・・・何だそれは? 雰囲気からすると途中で残っている仕事を引継ぐってことなんだろう、多分。』
と思っているうちに、ここ(事務スペース内)じゃ落ち着かないだろうから、会議室に行こうか、ということになり、会議室に案内され、早速引き継ぎ業務が始まった。
そしてなぜか手島係長も同席した。
多田さんがどんな引継ぎをするのか興味があるらしい。

「え~とね、すだくんの仕事は庶務全般だよね。僕自身も小山田さんから教えてもらったから、僕より小山田さんの方がよっぽど詳しいんだけどね(笑)
ある程度、小山田さんから何するかとか聞いてる??」


『いえ、特に具体的にはまだ何も聞いてないです。もしよかったら色々教えてたら非常に嬉しいです。』


「なるほどね、何も聞いてないか。じゃあまず庶務の仕事だけどホント色々あるけどこんな感じかな
・職員の福利厚生関係(互助会)の事務作業
・職員の保険、共済関係制度の事務作業
・職員に支給される被覆調査
・センター内の出勤簿など勤怠管理
・給与や超過勤務(残業)の事務作業
・その他属さないこと
まあ簡単に言えば職員の身の回りの世話やね。
一つ一つは慣れたら難しくないけど、なにせ種類が多いのと、共済や互助会なんかは制度のことを分かってないと意味が分からないかもね。
まずは制度を理解して、局(総務本部のようなところ)から頻繁に該当者調査とか色々送られてくるから、その都度都度対応していったらいいよ。
いまここで説明するのは難しいからね~。」

と言われ、書庫入れから持ってこられたか分からない大量の幅3cm~5cmの簿冊をざーと指さしながら説明された。
1冊1冊には「互助関係」「共済関係」「給与関係」などと書かれ、両手では決して抱えきれないほどの種類がある。
「これが互助関係、こっちが給与関係。中の詳しいことは小山田さんに聞いてもらえれば分かるから。いま教えてもまったく意味が分からないだろうし。
まあ~こんな感じくらいかな。
たいしたこと何も話してないけど、小山田さんに聞いたら分かるから大丈夫と思うわ~
え~と、係長、こんな感じでいいですかね~」

えぇ~こんな感じってこんだけ?? 
って感じで正直けっこう驚いた。
引継ぎが何か分かってはいなかったが、もう少しきっちりとしたものがあるものとばかり思っていた。
引継ぎ開始わずか15分くらいで終わるとは。
しかもオチはただ一つ、
分からないことは小山田さんに聞け
これならわざわざ多田さんが引継ぎしなくてもいいんじゃないの!?
というのが公務員になって初の引継ぎの感想。。。
続く。

Pocket

コメントを残す