【公務員からの教え 3-7】 配属先でさっそくの歓迎会

配属された保健センター初日の仕事終了後、同じ係のみなさんが庁舎近くの中華料理屋でわたしの歓迎会を開いてくださった。
庁舎からすぐのところにあるその中華料理屋はどこにでもある普通の中華料理店で、メニューも何の代わり映えもしないありきたりな中華料理が並んでいる。
ただ、役所に近いことから頻繁に役所の公務員の飲み会が開かれるお店らしく、ランチ時も夜もいつもそこそこ賑わっていた。

うちの保健センターで全職員50名ほど、すぐ隣にある区役所で300人ほど、そしてさらにすぐ近くには警察署に消防署もある。つまり、この中華料理屋の周りだけで500名以上の公務員がいることになるので商売する立地としてはいい場所なのだろう。
歓迎会はこのお店の2階で開かれた。
1階は4名掛のテーブル席が5つほど、2階は8人かけの丸い大きな中華テーブルが2つの決して広くはないお店。
今日はその2階を全て貸しきっての歓迎会だ。
テーブルの上にはすでに大皿料理と瓶ビールがところ狭しと並べられていた。
歓迎会は同じ係の人たち10名ほどに課長、課長代理、そしてセンター所長が参加。
初めに所長挨拶、続いて課長挨拶、そして最後にわたしの「よろしくお願いします」の挨拶がさらっとあり、さっさと宴会が開始された。
学生時代は友人や先輩後輩などと飲むことは頻繁にあったが、ついに社会人となり、上司と飲むのはこの日が初めての経験だった。

「なにか暗黙の了解はあるのでは!?」
「何を話せばいいのだろう??」

といろいろ頭の中で考えるものの、そんなことはおかまいなしに宴会は勝手に盛り上がっていく。
なにせ明日からGWなので、飲めや話せやと開始10分ですごい盛り上がりだ。
誰々がどこに異動しただ昇進しただ、GWはどこに行く予定だ、今度の組合(労働組合)の活動は何々だ、など配属初日のわたしにはほとんど分からない話ばかりだ。
ただ、俗に言う嫌な上司、先輩はいないようでちょこちょこと
藤本課長「おう、須田くんよ、期待しとんねんから頑張れや、おう」
センターまで連れてきてくださった高橋主査「そんで、須田くんはGWどうすんの?ワシはな奥さんとな・・・」
封筒貼りを頼まれた村田さん「まあ気軽に飲みね、初日なんだし気づかれしたでしょ。封筒もいっぱい貼ったことだしね(笑)」
などいろいろと話を振ってくれる。
どうやらわたしを一人ぼっちにはさせないためなのだろうけど本当にありがたい心遣いだ。
そんな中、テーブルの上に置かれた瓶ビールをみなさんが順々に持ち立ち始め、所長や課長など上役にビールを注ぎに回りはじめた。
その時になりようやくわたしはなぜ皆さんが生ビールじゃなく瓶ビールを飲んでいるのかに気がついた。
「なるほど、役所というのは瓶ビール片手に順番に挨拶回りをするために瓶ビールなのか。なるほど。」
と納得し、わたしも見よう見まねで瓶ビールを持って挨拶回りを始めた。
『本日はわたしのために歓迎会をしてもらいありがとうございます』
「いいっていいって、これから同じ係のメンバーなんやかさ~ まあ飲めよ、そんで須田くんはさ~』

など皆さん温かく話してくださった。
素直に嬉しく、そして楽しかった。
そして宴会は2時間きっちりで終了。
最後は大阪締めとかいうよく分からない手拍子で終了した。
これが大阪市役所の部局によっては定番の締め方らしい。
楽しい飲み会だった。
そして、いい職場っぽい。
うんうん。
続く。

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