【公務員からの教え 3-3】 職場での自己紹介を通して

わたしを配属先からこの庁舎まで案内してくれたおっちゃん職員が庁舎に響き渡る声で、

「仕事中にスイマセン、ちょっと集まってもらえますか」

と声をかけると、保健センター内の職員がわらわらと集まってきた。
全体で20~25名くらいだろうか。

スーツ姿の人が20%、市指定と思われる事務上着を私服の上から着ている人が60%、私服のままの人が20%という感じだ。
興味深そうにわたしを見たり、面倒くさそうに見たりしている人もいるが、大方は淡々と集まってきたように見える。
ほどほどに集まると、おっちゃん職員が、
「え~と、仕事中だけど今日から○○保健センターで働くことになった須田くんが来たから、本人から挨拶してもらううわ。はい、じゃあよろしく。」
自己紹介自体は学生時代にも大勢の前で何度もしたことがあったのでさほど緊張もせず言えるだろうと思った。
『本日より○○保健センターに配属されました須田と申します。まだ右も左も分からない新人なのでご迷惑を多々かけることもあるかもしれませんがご指導よろしくお願いします。1日も早く戦力になれるよう頑張ります。』
短い自己紹介ではあるけど、我ながら意外のほかスムーズに自己紹介を行うことができた。
いや、むしろ上出来な自己紹介じゃないか、と自画自賛したい気持ちになった。
ただ、職員のみなさんの反応はいたって普通というか無反応で、パチパチとささやかな拍手が起こった程度。
「はい、須田くんありがとう。詳しい個々の自己紹介はまたあとでするから。では、皆さん仕事中にありがとうございました。」
と、これで自己紹介は無事に?終了し解散。
予想外にあっさり。。。
『なんか思ったよりは無反応すぎて調子上がってこないな~・・・』なんて心のなかで思っていると、おっちゃん職員から、
「まあとりあえずココが君の席だから座っといて。また呼ぶから」
と恐らく窓口など受付をするんだろうなと思われる長い受付カウンターの近くの事務机に座るよう指示された。
スチール製で引き出しが机横に3つ付いているいかにも事務机というその机は学校の職員室でよく見られるものと同じものだ。
確かに頑丈そうではあるが、全くお洒落さなどはない。
無骨なただ仕事を行うためだけに考えられた机だ。
「ここがおれの席か~ 窓口に近いな~ ってことは窓口に出まくれよってこなんだろうな」
「何にもない机だな、机の上にあるのって電話機と本立てだけ!?いったいここで何の仕事をするんだ??」
なんてことを考えているうちに、先ほどのおっちゃん職員が再度近くに来て、
「じゃあ一人づつ紹介していくから、ワシについてきて。あ、あと庁舎の案内もしとくから」
と言われ、あとをソコソコとついていくことになった。
続く。

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