【公務員からの教え 2-9】 運命の分かれ道 ついに配属決定へ

区民ホールに入ると入庁式と同じようにパイプ椅子がずらーと並べられていた。
ただ入庁式と違うのは、アイウエオ順に座ることではないこと。
ホール入口の受付時に自分がどこに座るのか座席指定をされ、その場所に座る必要があった。
『どいうことだこれは・・・』
と思っていると、兄が大阪市職員という同期生が一言、「これな、聞いた話では前から部局の並び順になってるんやと思うわ」と。

大阪市の部局は、表示させる際にその表示の並び順が決まっていて、一番最初は市長室、その後に(並び順は覚えていないけど)経済局や計画調整局、港湾局、健康福祉局などが続き最後に区役所という並びになっている。
並び順がもしそのとおりなら、一番前に座っているやつは市長室配属、最後らへんに座っているやつは区役所配属ということになる。
そしてわたしはと言えば、真ん中のちょっと後ろあたり。
とりあえず区役所ではなくどこかの局っぽいのは間違いなさそうだ。
まずは第一段階突破。
やはり区役所全般、とくに俗に修羅場の役所と言われる西成区役所は全く人気がなく、市行政の中枢に近い仕事ができる部局のほうが人気があった。
わたしは区役所はそこまで嫌でもなかったが、できれば避けたいと思っていた。
そして辞令交付式の開始。
一人一人順番に最前列にある壇上に上がり、誰だか分からないお偉いさんから辞令を受け取る。
受け取った瞬間笑顔になる者、明らかに落胆する者、その表情を見ているだけで希望通りの配属だったのか分かるところがおもしろい。
そしてわたしの番。
もう緊張しすぎて頭が真っ白のまま壇上に上がり、辞令書を受け取る。
辞令用紙は非常に簡素なA4サイズの表彰状のようなもので、日付、名前と「○○○への勤務を命ずる」と一言だけ書いてある。
辞令書を受け取った瞬間はまだ見ないようにした。
というのも壇上から階段を降りないといけなかったのでコケるのが怖ったから。
そして壇上から降り期待と不安、そして緊張が入り交じり、
「頼む、どうか経済局か計画調整局を、どうかお願いします。いや、もう行きたくない局以外だったらどこでもいいです。お願いします!」
という祈りの気持ちで辞令書を覗く。
そこには、
『健康福祉局勤務を命ずる』
と書かれていた。
終わった・・・
希望部局どころか行きたくないわたしが行きたくない1、2の部局。
おれの仕事人生すでに終了だ・・・
あ~なんてこった(絶望)
続く。
【まとめリンク 第2章 入庁】
1 入庁1週間前
2 入庁式1 決意新たに
3 入庁式2 労働組合の勧誘
4 意味のない新人研修の始まり
5 日々飲み会に精進
6 新人研修とは何だったのか
7 希望配属先面談
8 配属辞令の交付
9 運命の分かれ道
10 局内研修の開始
11 局内研修
12 福祉か保健か

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