【公務員からの教え~1-3】 役所と起業家精神

何気なく進学した大学院も気がつけば半年が経ち、けっこう充実した日々になっていた。
やたらと意識の高い勉強熱心な仲間たち、会えば説教タイムが始まるゼミ教授など、大学時代とはかなり異なる雰囲気が楽しくなっていた。
そして、これから先の仕事人生を左右する出来事が始まったのもこの頃。
その頃大学院では、実際にビジネスの現場や研究の場で活躍している人たちを呼び、講演会やセミナーを行う講義があった。
そこでたまたま受講したのが、

「ベンチャスピリットをどう行政に活かすか」
という講義。
確かどこかの大学の講師の方が担当講師で内容はこんな↓もの。

行政システムは古くさい昔ながらの改革を望まない体制になっています。
いまの時代にいつまでも保守的な古臭いシステムを継続することに意味はまるでないでしょう。
それよりも続々と巷に出現しているベンチャー企業の考え方を導入しないと、日本の行政は滅びに向かい、日本自体から活力が失われるんですよ!!

ちょうど時は21世紀に変わったころで、IT系を中心としたベンチャービジネスブームがあちこちで盛り上がっていた頃だった。
インターネットもようやく一般的になり、検索で分からないことを探したり、ネットショップでの買い物をしたりと、ITが非常に身近に迫ってきていた。
当時のITベンチャーはそれは勢いがものすごく、今までの既成概念を打ち壊すという新興勢力の勢いを存分に感じさせていた。
また、終身雇用や年功序列といった日本んらではの制度を廃止し、実力主義による管理体制の構築が言われだしたのもこの頃。
一方、行政はといえば、いつまでも古来からの古い体制にしがみつき、新しい考えにまるで無頓着な存在に見られていた。
そんな時代だったので、この講義のインパクトはかなりのものがあり、気がつけば自分も一つの考え方を持つようになっていた。
それは、

『これからの行政にはベンチャースピリットの考え方(何事にも挑戦する気持ち)が大事だと』

まあ単純な考え方の結論とでもいえるかもしれない(笑)
もっと深く様々な視点から考える必要はあったのだろうけど、気がつけばこの考え方の虜になっている自分がいた。
そしてこの講義をきっかけに、
「行政でベンチャーの考え方を活かしたい、公務員になるか!!」
という考えが自分の中で膨らんでいったのは言うまでもない。
続く・・・
【まとめリンク 第1章 公務員試験】
1 大学院へ
2 プライオリティを身につけろ
3 役所と起業家精神
4 イカした公務員を発見
5 役人らしくない公務員
6 公務員試験5ヶ月前からの勉強
7 大阪市か京都市か
8 大阪市を受験した理由
9 試験当日
10 まさかの合格
11 記憶にない2次試験
12 いよいよ最終面接
13 合格発表
14 恩師からの言葉
15 合格発表後の懇親会
16 大学院中退へ

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