今日から東京国際フォーラムで開催されている「ベンチャーフェア2010」に来てみた。
ベンチャーフェアは中小企業整備基盤機構が主催するビジネス展示会で、1小間(1ブース)52,500円とかなり格安で出展できるので、来年出展しようと思っている。
本当は今年出展する計画をしていたのだけど、よくある気がつけば締切が・・・
今回の出展企業の中で話を聞いてみておもしろいな、と思ったものもいくつかあり、良い勉強になった。
展示装飾や配置人員数、出展商材も平均すると、非常にうちが出展しやすい環境に近く来年はぜひ出展しようと思う。
一通りブースを回ったあとは、ぜひ聞いてみたいと思っていた基調講演を聴きに会場へ。
聞いてみたかったのは、自分が最大に敬愛する企業家のひとり、ソフトブレーン元社長の宋文洲氏。テレビでもお馴染みの人。
宋さんの詳しいプロフィールはwikiでも、。
宋さんの著書「ここが変だよ日本の会社」や「やっぱり変だよ日本の営業」を読んだことがあったり、テレビで見たことがある人には分かると思うのだけど、とにかく考え方や発言がそこらの社長さんとはかなり違い(本質では同じなのだけど特徴ある話し方で違うように聞こえる)、非常に思考やビジネスマインドを参考にさせてもらっている。
今日もいきなり開始早々、基調講演の後にパネルディスカッションを共にする日本ベンチャーキャピタル協会の会長に向かって、
「キャピタルなんてベンチャーに何の興味もないんですよ、支援する気なんて何にもないですよ、儲かりそうなところに金入れてお金が欲しいだけ、だからキャピタルなんか要らないんですよ」
といきなり中国語なまりの日本語で飛ばしてくださった。
宋さんと会長は旧知の関係のようだが、いきなりキャピタル否定で始めるとはおもしろすぎる。
そんな今回の宋さんが話された内容をまとめると、
◎ベンチャーは、国・法律・ベンチャーキャピタルに頼っていはダメ。自立していく覚悟がないとベンチャーなんてするもんじゃないよ。
◎ベンチャーは成功の物語ではないの、失敗の物語なの。失敗することの何が怖いの。でもね今の日本は失敗に対して厳しすぎるよ。こんなんじゃ怖くて誰もできないよね。だから僕も中国に帰ったの(今は北京在住らしい)。
◎日本でベンチャーが育たないのは、日本全体の空気(環境)の悪さが蔓延しているからだよ。
それは2005年のホリエモン逮捕の頃からおかしくなり始めて、ベンチャーなんかの新しいことを試みようとする勢力を排除しようとする空気になってるの。ホリエモンは嫌いだけど、これはおかしいよね。
◎何もしないでブツブツ言っている人より、何かしてミスした人のほうがいいに決まってるでしょ。
◎ベンチャーはね、法律を守ってさえすればあとは何してもいいのよ。でもね何もしない会社が多すぎるよね。いつからこんなに大人しくなったのか不思議だよ。
◎また言うけどね、キャピタルなんて要らないようにならないとダメ。キャピタルは楽してお金を稼ごうとするところなんだから。頼るときは人脈が欲しいときだけよ。
◎日本は格差はダメ、格差は悪、と言っているからベンチャーが育たないの。格差があるから、格差ができるからベンチャーは育つんでしょ、中国なんてみんな金持ちになりたがってるから格差を格差なんて思ってないよ。そんなに格差が嫌なら社会主義になればいいんだよ。
◎格差を嫌がっている人って、格差が嫌なんじゃなくて単なるネタみでしょ、それはほとんどお金のネタみから来てるの。
◎日本はね、最近は「普通」になりたっがている人が多すぎるよ。普通の何がおもしろいの、今の日本は中国よりよっぽど社会主義を感じるよ。日本人は中国の体制がいつ崩壊するかとか心配しているけどね、よっぽど日本のほうが危ないよ。
◎今の日本人はみんなが生活に満足しちゃってるの。それでベンチャーを育てるってのが無理だよ。ベンチャーって苦しいことだらけだよ、誰がそんな苦しいことしてまでベンチャーやるの。
◎だいたいね、僕がこんな講演してるところからしてダメなの。ここに来ている人はベンチャーを分かっている人か、している人だけでしょ。そんな人たちに「なぜベンチャーは育たないの」なんて講演は何の意味もないからね。
とまあ話の脈絡は何もなく思いついたままに喋る基調講演って感じでした。
でも、めちゃくちゃ参考になった。
言葉はめちゃくちゃだけど、言っていることは的をついたことばかりだと思う。
こんなに参考になった基調講演は始めてかも。
やはり偉大な社長さんだ。
改めて著書も読み直して、そして今年中にどうにかしてご本人と会えることを新しい目標としてみたいいと思う。
ベンチャーフェア終了後、今月のアレを見に浜松町の駅に。
今月はオリンピック仕様でした。
ちなみに1月はこれ↓