求人広告の値下げ競争

今日、お会いさせていただいた社長から、


「この前、新卒採用媒体の営業が来たから、広告掲載の話を聞いたら、去年は1社の広告掲載額が250万円だったのに、今年は40万円で来たで」


という話を聞いた。
なんていう値下げだろう。
ヒドイもんだ。



この掲載額と割引率だったら、あの会社の求人媒体かなと何となく思ったが、広告全般の中でも、やはり例外なく求人広告媒体も値下げ競争が激しい。



例えば、


【正社員採用の○社の求人サイト】
去年:平均掲載単価(1ヶ月)80万円 

今年:平均20~30万円



【アルバイト採用の△社の求人サイト】
去年:WEB媒体3日間で5~8万円

今年:上記WEB媒体に加えてフリーペーパー、有料紙媒体の3点セットで同料金の例も



【アルバイト採用の□社の求人サイト】
去年:1ヶ月の平均掲載額20万円

今年:ある会社では2万円の提示



【求人全般を扱う■社の紙媒体】
去年:1週間の掲載金額が平均10~15万円

今年:売上不調につきすでに廃刊・・・


という状況だ。



1年前は絶好調だった大手も軒並みこの不況で体力減退し、某大手は営業マン3分の1をリストラ、また別の大手も営業40%リストラ、そのまた別の大手も契約社員の営業を中心として親会社に移籍させ回線営業と、求人を扱っている求人会社が大掛かりにリストラを進めている。



しかも、さらに掲載金額の値引き。
値引き自体はよくあることなのでそこまで悪いとは思わないが、単純に景気が回復した将来、大丈夫なん?と思ってしまう。




例えばの話、とある会社が同じ条件で1ヶ月の求人広告掲載を出稿した場合の費用が、

去年:100万円
今年:20万円
来年:?円


とすれば、
去年の掲載額から大幅に値引きしてもらったこの会社は、来年景気が回復したとしても100万円の広告費用を払うだろうか??


個人的にはまず払うことはないと思う。



一度値下げした価格を、また元に戻すことは非常に難しいだろう。
掲載額を払うお客からしてみれば、「去年は20万だったのに、なんで今年は100万円もかかるん?去年は20万円でOKやったん」と当たり前に思うことだろう。



経営が苦しいから値下げしてでも売上と掲載件数を確保したいという気持ちは、同じ求人業界として本当によく分かるけど、この選択は将来の経営をさらに苦しめるものになるのでは、と余計なお世話ながら心配になる。


まあ大手の場合、半端ない資本力で想像を絶する解決法や切り札があるのかもしれないが。。。



ちなみにこの不況の時代でも、右肩あがりで売上・利益を伸ばしている求人媒体は確かに存在していて、ある程度の共通の仕組みがあることが分かってきた。またこの話はいづれ。

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