昨日放送されたNHKスペシャル巨龍中国「14億人の消費革命~爆発的拡大!ネット通販~」
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586873/
ここ最近のNスペの中でも群を抜くおもしろさでした。
・中国のとんでもないネット通販の市場規模
・「いいね」をワイロで買うしかないネットショップたち
・夢儚く散っていく起業家たちのリアル
・来年の今頃は消えているんじゃないかと思われるラスト・・
・そして、空中を舞う配送センターの段ボール箱(笑)
単に中国ネット通販での成功者だけを取り上げるのではなく、失敗していく者たちも取り上げているところがさすがNHKらしいです。
なかなか表に出てないことなので、失敗者のことを取り上げるのは大変勝ちあることです。
なぜなら起業志望の人で、「どうやれば成功できるのか」「うまくいった方法やコツを教えて欲しい」とよく質問されることが全くのナンセンスなことと通じるものがあります。
成功者にとって成功したコツというのは、その人の見えない努力やアイデア、行動力はもちろん、その時の市場のタイミング、人脈、そして運と様々な要素が絡みあって成熟するものです。
なので、何が理由で成功したのか聞かれても難しいものはありますし、本人自身も本当は気づいていないことも多々です。
「運が良かっただけですよ」という社長さんがいますが、あながち間違っていません。
むしろ成功者に成功の方法やコツを聞くのではなく、「今までに一番やってしまった・・と思われた失敗を教えて欲しい。その時どうやってそれを乗り越えましたか」など失敗経験に注目した方が得られることは多いと思います。
成功理由は万人違いますが、失敗理由は万人共通です。
さて、話を戻し昨日のNスペですが、ここでもネット通販で億万長者を夢見る2組の起業家が登場しました。
1組は田舎から家族で出てきて服を売っているグループ、もう1組は就職口がなかった男3人で女性向けアクセサリーを売っているグループです。
番組ではこの2組の様々なストーリーが紹介されていましたが、これは失敗するんじゃないか、と番組を見て思ったことを2点書きたいと思います。
案の定、番組の終盤で失敗していました・・・
◯複数人で起業したらダメ
もはや定番中の定番です。
起業というものは遊びでもサークルでもありません。商売であり経営です。
価値観や考え方は当たり前に人それぞれ異なるので、対等な関係として複数人で始めた商売はほぼケンカ別れして終わります。
失敗すれば責任の押し付け合い、儲かれば利益配分で。
この3人も当初商売がうまく行かず、結局うち1人と音信不通なシーンが放送されていました。
やっぱり・・・(*_*;
そういう私も起業時に友人と一緒に起業し、見事にたった一年でバラバラになった一人です(-_-;)
個人的に、「友人と起業します」と言う人には、「あーいつまでこのままやっていけるんだろう・・・」と心配しかありません。。
そしてだいたいがそのとおり、バラバラになっています・・・
ただ、起業時に不安があり、もしどうしても友人や仲間、複数人で起業したい場合はこの2つのどちらかの対応をすることをオススメします。
1)最初から上下関係をきっちり決める
仲良く株主比率も50%50%ね、とか馬鹿なことは止め、必ずどちらかが明らかな株主であり社長、もうひとりは仲間であり部下という関係にすることだ大切です。
最初の段階できっちりと役割、身分、責任の所在などを話し合っておかないと揉めだしてからでは遅いです。
2)そもそも起業は止める
社長業とは孤独そのものです。
本当に孤独な職業です。
今どき、従業員に「経営者感覚をもって仕事をしよう」など通用しませんし、そんなことを言う社長は馬鹿だと私は思っています。
そして、こういうことを平気で言う社長に限って、失敗したら失敗は部下のせい、儲かったら儲けは全て社長、としている人が多いのは周知の事実です(笑)
一人で起業するのが不安ならそもそも起業なんてしない方が100%幸せだと断言できます。
◯男3人でなぜ女性モノを扱う!?
番組では言葉悪いですが、いかにもモテなさそうな男性3人が集まり起業していましたが、なぜか扱う商品が女性小物(´゚д゚`)
そして番組内の卸工場で選んだ女性向け財布に「これはカワイイ。売れるよこれは!」と絶賛し販売するものの、結局全く売れずに意気消沈・・・というシーンが放映されていました。
そりゃそうでしょ。
よほど女子力が高い男、もしくは彼女や奥さん等その道の人が社内にいる以外は、女性向けの商品なんて基本扱ってはいけません。
男性のカワイイと女性のカワイイは全く別物ですからね。
どんな商売でもそうですが、自分自身がきっちりと分かるもの(売れ筋や商品価値など)にするか、いまいち実は分からなくてもその分野が何よりも大好きなもの、愛しているものを扱わないと商売はなかなか上手くいきません。
なぜこの男性3人が女性向け小物にそもそも狙いを定めたのか大いなる謎ですが、最初のスタートからして間違っているように感じました。
ただ、1点素晴らしいな、と思ったこともあります。
11月11日の中国ネット通販の一大イベント「独身の日」に向けて、もう1組の登場グループは、「なんとなく売れそうな商品」を大量購入し望みましたが、このグループは過去の販売成績から「ある程度確実には売れそうな商品」を大量購入しました。
結果として、「なんとなく売れそうな商品」を購入したグループ(家族)は鳴かず飛ばずの販売成績で番組最後には店をたたみ、故郷へ家族と帰ろうとなりました。せつない。。。
一方で「ある程度確実には売れそうな商品」を購入したグループ(男3人組)は、販売商品が予想以上に売れ、6ヶ月分の売上を1日で確保したそうです。
「なんとなくこれが売れそう」という根拠のない曖昧な直感ではなく、過去の販売実績(データ)を分析して独身の日に臨んだことは素晴らしいことだと思います。
私も起業時にお会いした大儲けしていた社長さんから当時アドバイスとして、
とにかく最初は何でもかんでも色々と挑戦した方がいい。
そのうちそこからデータがどんどんと溜まってくるから、それを分析していくと、次に何をすればいいのか必ず見えてくるから。
と言われたことがあります。
それがきっかけとなって今でもデータ分析が大好きです(笑)
他にもこの2つ以外に色々と見どころ多い番組でした。
特に起業を考えている人には参考になることが多々あると思います。
11日に再放送があるようなので、見られていない方はぜひ見ることを強くオススメします!
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