株式会社くらしナビ、他2社の代表取締役として現在33歳の元公務員社長。
同志社大学院商学科にてベンチャービジネスを学ぶ。
これからの役所の世界とベンチャービジネスの結びつきに可能性を感じ大学院途中の2001年に大阪市役所入庁。保健センター、区役所、建設局など5年半の役所勤務後、2006年7月に退職。
その退職10日後に現在の株式会社くらしナビを創業。関西地域でのアルバイト求人媒体の運営(非上場企業運営の求人媒体では関西最大規模)、求人サイト構築システムの企画(現在、業界トップシェア)、人材事業などを行いつつ、2009年より長年の目標であったJリーグチーム「セレッソ大阪」のサポーティングカンパニーに就任。
また、起業・転職など脱公務員を希望する現役公務員からのコンサルティングを行い現在まで約200件の相談実績とともに、趣味から始めた写真撮影は入賞など多数あり。

04月27日 豚インフルから役所の体制を想う

鳥インフルが新型インフルエンザの中心的話題だと思いこんでいたら、突然に出てきた豚インフル。非常に心配だ。


パンデミックを起こす強力な存在になるのかまだ分からないようだが、大阪市役所時代に元保健部門にいた自分としてはやはり非常に心配になる。


というのも大阪市役所在職中にSARSが発生した時にその業務に若干関わった経験があるからだ。
確か入庁2年目に日本中がSARSの話題一色になった。

その時に末端の末端ながら公衆衛生(地域住民の健康の保持・向上のために活動に携わること)の現場にいたので、今頃は保健部門は大変なことになっているんだろう、と考えてしまう。


多くの一般人は、保健部門の全ての職員(保健所や病院スタッフなど)は、何でも新型の病原体のことを知っていると思ってしまうが、残念ながら職員も万能ではないので何でも知っている訳ではない。


SARSが流行りかけた時も必死に大急ぎで国やメディアからと様々な情報源を頼りに勉強したものだ。

さすがに自分を含めた医療・保健の基礎知識がない事務職員は、基本的な専門用語の数々でさえ分からずに四苦八苦したが、医師や保健師さんの覚え方の素早さには度肝を抜いたことは今でもはっきりと覚えている。

数日前まで『SARSなんて聞かれてもよう分からんわ』と口々に話し合っていた専門職の人たちがあっという間にSARSの基本を理解し、市民に説明している姿は『プロ』の姿。
まさに尊敬に値する姿だ。

ただ、このことから、生の現場を生で見てきた者として、公衆衛生など「命」に関わる公的機関には、できるだけ事務職も経験の長いスタッフを配置したほうがいいのではないかと思う。

つまりは数年で全く異なる分野に異動を繰り返す事務職に「命」に関わる仕事を任すのはよろしくないのではないだろうかと考える訳だ。


特にこの4月は異動のピーク。
少なからずの役所では、昨日まで全く保健や公衆衛生に関わったことのない別局の畑違いの事務職員が、いきなり今日から担当になることも珍しくないのではないだろうか。


仮に豚インフルが発生した翌日などに異動してきて、豚インフル担当になったものならまさに一大事だ。
本人も人一倍大変だが、その担当者に公衆衛生の命運を任せるしない市民も大いに不幸ではないだろうか。


できるなら、事務職の半分は、局採用(保健部門なら保健部門採用、税部門なら税務採用など)にし、卒なく色々な業務を行えるゼネラリストではなく、一つの業務に長けたプロフェッシェナルな人材を育てることにシフトしていくべきだと考える。


今回の非常ケースを見れば、幅広い視点を備えたゼネラリストを育てるなど、市民視点からすればどうでもいいことだろう。
市民が求めているのは、公衆衛生に長けたプロなのは間違いない。


つまり、全くといってもいい専門知識のない事務職に、いきなり今回のような「命」に関わる仕事をやれ、というも酷すぎだろうし、市民にとってもいい迷惑じゃないだろうか。


まだ今回の豚インフルの致死率は不明だが、もし想定が何十%もの致死率があるとすれば、素人が出る幕ではないだろう。

素人に何十%もの致死率の病原体の担当を任せるのは、本人にとっても市民にとってもまさに不幸な出来事でしかないのではないだろうか。