今年の目標の一つとして昨年に実行できなかった『公務員廃業サポート』の何かを始めたいと考えています。
昨年から公務員廃業サポートの第一人者『役人廃業コム』の山本さんと相談はしているもののなかなか良案が浮かびません。
新事業を始める場合、いつもは「何がしたいか」をまずは考え、そこから「何をするべきか」「どうすべきか」と考えていくのですが、この公務員廃業サポートに関しては、むしろ「何ができるか」をまずは考えないといけません。
公務員を辞めたいという人は意外に多く、わたしがいた大阪市役所でも100人中20人くらいいたのではないでしょうか。ただその中で本気で辞めたいと考えている人は、恐らく3~4人でしょうか。
今までに聞いてきた辞めたい理由として多いのは、
・仕事がマンネリでおもしろくない
・好きでもない仕事(部署)をやらされている
・人間関係に疲れた
というのが多いかなと思います。
まあ、これらの理由は民間でも同じなので珍しいものでもないです。
ただ、わたしが一番問題だと思うのは、辞めた後、どうしたいかという「目標」「計画」「夢」がない人が多いかなということ。
公務員を辞めたいと考えている人で辞めた後どうしたいかを聞くと多いのが、
・事務的な仕事で転職したい(営業はしたくない)
・資格をとって税理士や社会保険労務士などになりたい
そして一番多いのが、
・とにかく辞めたい。辞めてから考える
まず、「事務的な仕事をしたい」と言われる人は、やはり役所の中で事務職の人が圧倒的です。総務や庶務、経理などの仕事を長年していたので、民間でそのスキルを活かしたいというものです。
ただ、残念ながら民間において事務の仕事のニーズは圧倒的に低いのが現状です。
理由としては、
・企業はまずは売上アップが優先課題。すなわち営業、交渉、折衝、管理ができる人材ニーズが高い。
・そもそも役所の「事務」と民間の「事務」は考え方が違うのでスキルがあまり生きない。
・そして残念ながら男性や年配の場合、事務として雇ってくれる企業は非常に少ない。
つまり、多くの企業が求めるのは営業や交渉、管理ができる人なので、役所のように一日中、総務の仕事をさせてくれるニーズはあまりないという訳です(ただ逆に言えば営業ができれば仕事を見つけるのは非常に簡単)。
資格をとって資格業になりたいという考え方も残念ながら厳しいかもしれません。
資格をとれば何とか飯くらい食っていけるだろうと皆さん考えられるようなのですが(私も役所時代はそう思っていました)、資格を持ちながらも廃業をした人を何人も見てきました。
例えば、税理士や社労士の資格をとっただけでは当然仕事など入ってきません。スタートラインにたっただけです。
一般的に儲かっている資格職の人は、そりゃもうスゴイ努力されています。どうやって他の同業者と差別化・独自化するかをそりゃ皆さんめちゃくちゃ考えられて行動されています。
お客さんを待っているだけの資格業の人はまずいません。
つまり、資格をとった後、すでにライバルがわんさかいる業界で個人事業主として社長業をしなければならないのが資格業です。
最後に、とにかく現状が嫌なので公務員を辞めてから考える、という人が一番大変かもしれません(ただ残念ながら一番比率は多い)。
『ひとまず辞めたいが(辞めてしまったが)、別に何かしたいことがあるわけでもないし、どうする!?』
という人を何人も見てきました。しまいには、
『辞めた後、何をすればいいのか分かりません。どうすればいいのか教えてください』
とおっしゃる方もいます。
自分の人生ですしどうしたいかは自分で考えてもらわないといけません。
公務員のままなら、30歳で500万、40歳で600~700万の収入をもらえますが、民間でこの給与をもらおうと思うのはかなり大変です。
特に公務員時代の経験はほぼノーカウント的な扱い(仕打ちともとれる)をうけることも多いので、いきなり年収400万以上を貰える仕事が見つかる可能性が低いのが現状ではないでしょうか。
しかも 『元公務員が・・・』と冷たい扱いをする人もいたりします。
と、このように公務員を辞めた後のことをあまり考えずに辞めてしまうと非常に人生設計に狂いが生じることにもなりかねません。
個人的には、公務員廃業者は、転職や資格業を考えるのではなく個人であれ法人で形はどうあれ「起業」するのがよりよい人生を送る最良の方法かなと思うところはあるのですが、もちろん起業にもリスクは非常にありますし難しいところです。
う~ん、一体どのようなサポートが先に公務員を辞めた私にできるのでしょうか。
全国350万と言われる公務員の1%が本気で辞めたいと考えも3万5千人です。
今年の春までにはまずは小さいことからでも初めなければならないものです。